◆ 食糞 ◆
食糞とは、読んで字の如し「糞を食べること」で、犬科動物の習性から判断すると自然な行為であると言われています。
自分の糞や健康な犬の糞を食べることは何の弊害もなく問題行動とは言えません。
しかし、飼い主からすると嫌悪感を抱き悩むことは当然です。
また、寄生虫に感染した動物の糞を摂取することで、何らかの問題が発生することは言うまでもありません。
【原因】
食糞の原因は定かではありません。
子犬の場合は周囲の「環境調査」をする習性が強く、人間が触って感触を確かめるように彼らは口を使って認識しようとする傾向があります。
犬の先祖である狼は、草食動物である牛などの糞を摂取して不足しがちな栄養成分を補完していたのです。
本来、母犬は子犬の肛門を舐めることにより排便を促し、また、巣を清潔に保つため、あるいは捕食動物からの攻撃を防ぐため臭いを消すために排泄物を食べます。
子犬は母親から教わった行動を学習し食糞するようになりますが、多くは乳離れするころには止まります。
また、食事が悪いから食糞するのではないかという仮説もありますが、理想的な食事を与えている犬でも食糞行為をしたという動物行動学の研究で覆され、現時点でこのセオリーは支持されていません。
よく言われている仮説を以下に示します。
・糞を食べると飼い主が騒ぐのでうれしくて糞を食べるのではないか説
・集団の中で立場の優位な犬の糞を食べることは服従的行為となるから糞を食べる説
・1日の食餌が少なく空腹のため糞を食べて補完しているのではないか説
・ビタミン(K,B)の不足を補うための「リサイクル」説
【対処】
食糞は、成長に従い自然になくなる・・・「時間が解決してくれる」という概念を念頭に、補助的に矯正対処すると考えるのが一般的です。
1.素早く糞を片付ける
お留守番の時間が長い場合は無理ですが、こまめにチェックし片付けます。糞がなければ食べられませんから。
2.与えているフードの変更する
与えているフードによっては糞に臭いが残っている場合が往々にしてあります。
フードを変更することによって、糞の臭いが変わる効果があります。
また、内臓が弱く消化吸収ができないことが原因であるならば、栄養が吸収される効果があります。
3.食糞防止サプリ等の併用する
排泄した糞が食べても美味しくない臭い・味に変化させるもの、糞自身にスプレーなどで不味いものに変化させるサプリメントがあります。