◆ 子犬の社会化期とは? ◆

 子犬が飼い主(子犬から見たらリーダーさん)や親兄妹、仲間、 さらに外部の人間や犬などになついていく過程のことを言います。 この時期が最も大切な時期であり、子犬の生涯を決めるほど重要な時期なのです。 人間で言う幼児教育の時期に当ります。

子犬の成長過程は、
 1.新生時期  0〜2週
 2.移行期   2〜3週
 3.社会化期  3〜12週
 4.少年期   4ヶ月〜1年

の4段階に分類されます。
一般的に国内における購入時期は生後2ヶ月位がほとんどであり、社会化期の最中に購入するケースが多いはずです。
社会化期のスタートが3週齢ですから生後21日となり、終わりが約3ヶ月です。
この時期に親犬・兄妹・仲間と遊んだり、喧嘩したりしながら自然に学び(犬の社会化)、また飼い主であるリーダーさんから学ぶ(人間との社会化)ことが、 成犬になってから他の犬や人間と上手に付き合っていく能力を育成することになるのです。

■ 母犬や兄妹犬と過ごす社会化期前半+飼い主さんと過ごす社会化期後半

 犬社会のルールを学ぶという意味の社会化期は、約2ヶ月間ブリーダーさんの下で十分過ごします。
その後の約1ヶ月間の社会化期後半はお客様がリーダーとなり、人間社会のルールを教えてあげるという訳です。 生後2ヶ月過ぎと言うと、2回目のワクチン接種はまだ1ヶ月くらい先ですから、この時期は家の中に閉じこもってばかりで 色々な経験をさせてあげることができないのでは、と思われるでしょう。
そんなことはありません!
ワクチン接種前でもちょっとした工夫で色々な経験をさせてあげることができます。

★抱っこしてのお散歩はOK! いろいろな物音に慣れさせてあげましょう。
★直接の接触は厳禁ですが、公園などワンちゃんが集まる場所に抱っこで参加してみましょう。
★時間を決めてメリハリをつけた遊び方をしましょう。
★チャイムや電話の呼び出し音にも慣れさせましょう。
★車に乗せる、夜に外出してみるなど、あらゆる経験をさせるのに早いことはありません。
★眼鏡をかけた人、ひげのはえた人等、たくさんの人と会いましょう。

とにかく、これから生きて行く社会のあらゆるものに慣れさせることが重要です。 この頃の子犬は、まだ自我がそれほど強くないので、自然に吸収して行けます。
ただし、子犬には眠るという重要な仕事があります。1日の睡眠時間は十分に取ってあげて、あまり疲れさせないようにしましょう。

■ 社会化期に色々なことを十分学べないとどうなるの?

 この大切な時期に早期に親犬から引き離されたり、人間との接触のない子犬は良きパートナーに成長できずに「問題行動」をとる可能性が高くなります。
例えば

1.幼い時から外で飼われた犬には、噛み付く、ムダ吠えなどが多い。
2.遊んでもらったり、散歩したり人間との接触が不十分な場合、飼い主や仲間から孤立し非社会的になってしまう。
3.過保護に育てた場合は、依存心の強い子になり社会に適合できず情緒不安定になる。 また自分を人間と思い込み社会化が上手くされない性格になり、他の犬に攻撃的になったり、極端に物怖じしたり、性的にも不能になることもある。

犬は群れを形成する動物ですから人間にとってよい伴侶にもなり、家族の一員として一緒にいることで幸せになれるのです。 これは、3ヶ月齢までの大切な社会化期で決ってしまいます。
この社会化期段階の重要性から考えると、ペットショップなどに陳列されて子犬がいつ頃から陳列されているのかが重要なポイントとなります。 生体市場(オークション)から仕入れた子犬は、残念ながらこの大切な時期を逃しているケースが考えられます。 感染症の問題に加え、子犬の社会化期を考えても店頭陳列販売では、デメリットが覆いと言わざるを得ないでしょう。 また、ブリーダーさんや仲介業者を通して直販してもらう場合も、生後45日未満の子犬を何の説明も無しに販売しているとしたら同じ危険が予想されます。
こういった犬の生態を理解していただくことが、「賢い購入者・飼養者」ということでしょう。

■ 子犬の早期引き渡しの危険

 生後45日未満の子犬を母犬や兄弟犬から引き離すことは、子犬の将来を考えるととても心配なことです。 生後21日目から始まる「子犬の社会化期」は子犬に取って大変重要な時期です。 この時期に何を覚えてどんな風に成長して行くのかをご理解いただければ、子犬を迎えてからの育て方、付き合い方のイメージもわくことでしょう。 そして、子犬を迎える時期や飼育環境がいかに大切かをご理解いただけると思います。

 このことからブリーダーさんから新しい飼い主さんに譲渡する時期は、8週齢(約2ヶ月)以降と言われており、 ペット先進国の欧米では法令で定められている国が大半です。
遅ればせながら日本においても平成23年には動物愛護法で定められる予定です。
残念なことに現在の日本におけるペット販売では、生後40日前後で生体市場(オークション)に出され店頭販売のショップに陳列されるケースが多いようです。
全ての店頭販売のショップがそれとは限りませんが、展示されている子犬の生年月日を確認してみてください。

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